スレート屋根とは?特徴やメンテナンス方法・劣化症状について解説
スレート屋根とは、日本の住宅でもよく使われる軽くて比較的安価で人気の屋根材の一つです。
自分の屋根をスレートにしたいと考えている方も、きっといるでしょう。
この記事ではスレート屋根のメリット・デメリット、劣化症状やメンテナンス方法について解説します。
スレート屋根の特徴を知り、特徴や注意点を把握しましょう。
目次
スレート屋根とは?メリット・デメリットを紹介
スレート屋根とは、セメントを塗装して作られた屋根材で、天然スレートと化粧スレートがあります。
天然スレートは、地下の泥岩が素材の粘板岩を薄い板状に加工したものです。
耐久性に優れており、色褪せしにくい特徴があります。
希少価値が高いため、材料費も工事費も高額です。
化粧スレートはセメントで固めて人工的に作られた屋根材です。
日本でよく使われるスレート屋根は、この種類が多い傾向にあります。
化粧スレートには、デザインが豊富な「平板スレート」や、瓦の形と厚みに形成し、瓦よりも安価だが耐久性がない「厚型スレート」などがあります。
波状に形成した「波型スレート」やアスベスト含有の「石綿スレート」も化粧スレートの一種です。
メリット
スレート屋根のメリットを紹介します。
・比較的低価格な施工が可能
・カラーバリエーションが豊富
・瓦よりもはるかに軽量で地震に強い
・普及率が高く施工できる業者が多い
施工できる業者が多いのが、スレート屋根のメリットです。
家を建てたあとのメンテナンスの際にも、相談できる業者の選択肢が多いため気軽に修理ができるでしょう。
色が多いため、家のイメージを簡単に変えられます。
デメリット
スレート屋根のデメリットは、以下の2つです。
・台風などによる飛来物や雨水の吸水・乾燥によるひび割れが生じやすい
・経年劣化による塗装剥げやひび割れが発生しやすいので、定期メンテナンスが重要
ひび割れは雨漏りに繋がり、それを放置すると最終的に家本体の劣化にも繋がります。
軽量で比較的安価なスレート屋根は、5〜7年ごとの点検をしてもらうのが望ましいです。
スレート屋根の劣化症状とは?
スレートの屋根は、15〜20年程度の耐用年数です。
しかし、劣化時に備えた定期的なメンテナンスが必要となります。
屋根の劣化症状には、以下のようなものがあります。
色褪せ | 表面の塗装が剥がれる。 |
ひび割れ | 歪みなどで発生する。 |
コケや藻の繁殖 | 防水効果が低下し、雨水によって生じる。 |
反り・割れ・欠け | 反りは表面塗装の劣化で雨水の吸収・乾燥の繰り返しによって発生する。
割れ・欠けは飛来物の接触で発生する。 |
普段から気にして屋根の観察を行い、気になる症状があれば業者に相談しましょう。
スレート屋根のメンテナンス方法とは?
スレート屋根の劣化症状によって、どのメンテナンスが必要か異なります。
適切な処置をするためにも、スレート屋根のメンテナンス方法を知っておきましょう。
ここで紹介しているメンテナンス費用は、足場の費用を除いた金額になります。
総額が知りたい方は、業者に見積もりを出してもらって確認するようにしてください。
塗装によるメンテナンス
屋根表面の色褪せが気になってきたら、美観の回復のために塗装を行います。
費用の目安は30坪の住宅でおよそ40〜60万円程度です。
ただ、表面塗装の寿命は伸ばせますが、屋根そのものの寿命が伸びるわけではありません。
屋根本体の寿命を伸ばすのが目的の方は、ほかのメンテナンス方法も検討しましょう。
棟板金の交換・換気棟の取り付け
棟板金とは、屋根のてっぺんに取り付けられる部材です。
固定している釘や下地の劣化により、強風で飛ばされるなどの不具合が起きます。
棟板金の交換費用は、3〜30万円程度です。
換気棟は、屋根の最も高い部分に設けられる部材です。
屋根裏の熱と湿気を自動放出してくれるため、換気棟の取り付けは屋根の寿命を伸ばしてくれます。
最近の新築住宅では多くの家で取り付けられていますが、古い家では取り付けられていない場合があります。
外壁や屋根のメンテナンス時には一緒に換気棟も取り付けてもらうとよいでしょう。
換気棟の取り付け費用は、屋根全面を改修する場合約3〜10万円程度が相場です。
スレート屋根の差し替え・葺き替え
差し替えとは、割れや反りが生じているスレート屋根を部分交換する工事です。
費用はスレート屋根1枚でだいたい5,000円〜4万円程度です。
葺き替え工事は、既存のスレート屋根を取っ払って屋根を張り替える作業となります。
すべての屋根を取っ払って新しい屋根を取り付けるため、見た目が一新されますが費用が高額になる点には気をつけましょう。
屋根カバー工法
屋根カバー工法とは古い屋根の上に新しい防水シートと軽い金属屋根を重ねて取り付ける工事です。
費用は金属屋根の種類にもよりますが、30坪の住宅で150〜240万円程度です。
ただ、古い屋根に異常が生じた場合に、新しい屋根を取り外して点検・工事する必要もあります。
そのときに余分な費用がかかる可能性もあるため、注意しましょう。
アスベストを含むスレート屋根を撤去するときの注意点とは?
かつて、アスベスト含有のスレート屋根が主流でした。
アスベスト含有のスレート屋根は、非常に丈夫で35〜40年近くも長持ちします。
しかしその反面、人体へ悪影響であったため、2004年に法規制によって製造が禁止されました。
そのため、着工が2004年以前の建物の多くにはアスベストが使用されています。
アスベスト含有のスレート屋根は、損傷や葺き替えが必要になるまで特別な措置は不要です。
しかし、屋根の葺き替えが必要になったら、以下のような対処が必要です。
・高額な撤去費用を払って葺き替え工事を行う。
・カバー工法を用いて新しい屋根を建てて、撤去費用を抑える
アスベストが飛散すると隣家への被害やトラブルの元にもなりかねません。
必ず資格をもち、適切な工事を行ってくれる業者に依頼をしてください。
まとめ
スレート屋根の特徴やメンテナンス方法、劣化症状について解説しました。
スレート屋根は軽量で比較的安価で施工できる屋根材ですが、その分定期的なメンテナンスが必要です。
メンテナンスを怠ると、屋根材の寿命を短くするだけでなく雨漏りなどの被害にあう恐れもあります。
少しでも長持ちさせるために、スレート屋根のメンテナンスはとても重要です。
今の家のメンテナンスが必要かどうか、今一度屋根の状態を確認し、心配な方は専門業者に点検してもらうようにしましょう。