外壁は風雨から住宅を守る大切な存在ですが、その外壁に穴が開いていたら大変ですよね。
穴が開くわけがないと思うかもしれませんが、よく見るとネジ穴程度の穴が開いていることがあります。
このネジ穴ができる原因や、その補修法についてまとめます。

ネジ穴のような小さな穴が開く原因

ネジ穴のような小さな穴が開く原因は大きく分けると2種類あります。
1つは故意に開けた穴です。
そしてもう1つは自然に穴ができる場合です。

故意に開けた穴

外壁にネジ穴を故意に開ける場合は、その多くの場合住宅の外に設置する設備を取り付けるためでしょう。
外壁には思っている以上にさまざまな設備が設置されています。
これらの多くはネジ穴を開け、設置しているのです。

専門業者が取り付けた場合、ネジ穴を開けた後さびの心配がないネジを取り付け、さらにシリコンなどでふさぎます。
ただ、これらの設備を交換するときに、元のネジ穴が利用できず、新たにネジ穴を開ける場合があります。
その際、元のネジ穴をふさぎ忘れ、ネジ穴が開いたままとなってしまうケースがあります。

また、業者ではなく住人が何かしらの理由で外壁にネジ穴を空ける場合もあるでしょう。
この際シリコンでふさぐといった作業をしなかったことでネジが脱落し、ネジ穴だけが残る場合があります。
サイディング材の場合、サイディング材を取り付けるときに釘を打ち込みますが、経年劣化により釘が抜け落ち、穴が開く場合もあります。

自然に開いた穴

ネジ穴よりも細い、針金の先のような小さな穴が開くことがあります。
これは「ピンホール」と呼ばれるもので、外壁塗装したときに、下地処理や塗膜塗装の際に施工不良があった時にこのような穴が開くケースがあります。

例えば、下塗りしたあと十分に乾燥させずに上塗りした場合、下塗りで使用した塗料の水分が上塗り用の塗料でふさがれた状態になります。
そのため、下塗りの塗料の水分が何とか逃げ出そうとして上塗り塗料を破ってしまい、穴ができるのです。
他にも下地自体が気泡のたまりやすい状態だったり、厚塗りしすぎたりした場合もピンホールができる可能性があります。

外壁の穴を放置するとどうなるのか

外壁に穴が開いた状態を放置するとどうなるのでしょうか。
「小さな穴程度であれば、大きな問題になることはない」と考えるかもしれません。
ですが、この小さな穴から雨が侵入し、外壁の中に入り込むと、最悪の場合住宅の寿命が縮まります。
また外壁塗装の劣化も早まる危険があります。

塗装面と下地の間に水が入り込む

外壁と塗料の間に水分が入り込むと、塗膜がはがれやすくなります。
はじめは小さな剥落かもしれませんが、その剥落部から、さらに雨が染み込んでいきます。
入り込む雨の量が増えれば、それだけ剥落の規模も大きくなるでしょう。
外観の美観が損なわれるだけではなく、外的要因から住宅を守るという外壁の役割が損なわれてしまうのです。

穴から内部に水が入り込む

通常、壁は幾重にも部材を重ね合わせて作られています。
小さな穴から水分が侵入したとしても、基本としては通気層と呼ばれる空気の層があるため、構造自体にまで影響を与えることは少ないでしょう。

ですが、壁内部に水が入り込むことで湿気がたまり、躯体に悪影響を与える心配はあります。
豪雨時などは想像以上の水分が侵入する心配もあります。

小さな穴だからと侮ってはいけない

外壁に設備を設置するプロの事業者が、ネジ穴を開けネジを入れ込んだ後、わざわざシリコンでふさぐのは、このような水の侵入を防ぐためです。
小さな穴だからと侮らず、もしネジ穴やピンホールのような穴を見つけたら早めに対処したほうがよいでしょう。

ネジ穴の補修方法

ネジ穴を自分で補修しようとするときに便利なのがコーキング材です。
コーキング材はホームセンターで購入できますし、コーキング材を穴に注入し乾かせば完成と、作業も簡単です。
コーキング材は耐水性や耐熱性、耐湿性に優れたものを選びましょう。

コーキング材の注入法

コーキング材は単体では使用できません。
必ずコーキングガンが必要になるため、初めて使う場合はコーキングガンも購入します。
コーキング材の先端にはノズルがありますが、このノズルの先端を切り取ります。

ノズルを切り取る場所により、コーキング材が出る量が変わります。
できるだけ先端に近い部分を切り取ることでコーキング材を少量ずつ出せます。
ネジ穴より小さく切り取るのがポイントです。

本体からノズルを外し吐出膜を破り、再びノズルを取り付けた後コーキングガンにセットします。
セット後、コーキングガンのトリガーを引けばコーキング材が出てきます。
埋めたいネジ穴にコーキング材のノズル先端を入れ、少しずつコーキング材を注入しましょう。

まとめ

外壁にできた穴は、小さなネジ穴程度のものでも望ましいものではありません。
最悪の場合、建物の寿命を縮める可能性があるためです。
ネジ穴程度の小さな穴ならホームセンターでコーキング材を購入し補修できます。

ただ、コーキング作業はコツがあり難しいと感じる方もいるでしょう。
また、建物の美観を左右するケースもあるため、できればプロに依頼したほうがよいでしょう。
外壁の穴が気になる方は、外壁塗装の実績豊富な、株式会社LSPにご相談ください。