お役立ちコラム

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高気密高断熱の家は換気が課題?普通の家との違いは?

日本の住宅は、ある程度の隙間が設られているので、通気性がよい特徴があります。
ですが近年は、気密性を高めた「高気密高断熱の家」もあります。
高気密高断熱の家とは、どのような家なのでしょうか。
その特徴を解説していきます。

高気密高断熱の家は換気が課題?普通の家との違いは?

高気密高断熱の家とは?

高気密高断熱の家とは、字から分かるように気密性と断熱性が高い家です。
クーラーボックスをイメージしてみてください。
クーラーボックスは、隙間をなくすことで外気温が高くても冷たい状態が長く保てます。
外の空気が入り込まず、ボックス内の空気が外に逃げ出さない構造となっているため、ボックス内の温度が一定に保てるのです。
高気密高断熱の家にすることで、屋外の気温の影響を受けにくくなり冷暖房の効率が高まります。

通気性と換気性

高気密高断熱住宅は気密性が高いため、通気性や換気性が気になる方も多いと思います。
確かに通気性については、従来の工法で作られた住宅に比べると劣ります。
ですが換気性については、24時間換気システムを導入することで得られるようになっています。
高気密高断熱の家の場合、24時間換気システムを導入することが義務付けられているため、従来工法の住宅よりもむしろ換気性は優れています。

従来工法の家は、通気性がよいため自然と換気ができていました。
意識せず換気が可能な点で優れた方法ですが、一方で外気を自然に取り込み室内の空気を排出してしまうことで、外気の影響を受けやすい住宅となります。
高気密高断熱の家は、換気システムを導入することで給気と換気を制御し、換気性を高めています。
通気性が劣っても、しっかりと換気できる住宅なのです。

高気密高断熱の家は換気が必要

高気密高断熱の家は外気の影響を受けにくく、室内の冷暖房効率を高められます。
それなのに、換気してしまっては意味がないのでは、と感じるかもしれません。
ですが、高気密高断熱の家だからこそ、換気は重要になります。

空気が滞留してしまう

通気性が劣る高気密高断熱の家は、換気システムを使い換気を実施しなければ、空気が滞留してしまいます。
人が呼吸して吐き出した二酸化炭素や湿気が室内に溜まってしまうと、室内の空気が汚れてしまいます。
そのため、高気密高断熱の家は換気システムで室内に溜まった空気を排気し、新鮮な空気を給気することで室内の空気をきれいな状態に保つ必要があります。
汚れた空気は酸素が少なくなるだけではなく、カビの発生や化学物質の滞留によるシックハウス症候群のリスクも高めます。

2時間で部屋の空気は入れ替わる

高気密高断熱の家では、1時間で部屋の半分の空気が入れ替わるような換気システムの設置が義務付けられています。
つまり、2時間で部屋の空気は入れ替わっていることになります。

このような換気を実現するために、多くの高気密高断熱の家では給気と排気を強制的に実施する仕組みを取り入れています。
屋外から空気を引き込むダクトと、室内から空気を排出するダクトが設置され、どちらにも換気扇を設置して給排気を実施するのです。
このような換気方法を「第一種換気」と呼びます。

換気方法は他に、給気のみを換気扇で実施する「第二種換気」と、排気のみを換気扇で実施する「第三種換気」がありますが、最も安定的に換気が実施できるのは第一種換気です。
高気密高断熱の家を建てるときには、第一種換気を備えた換気システムを採用するようにしましょう。

外気の影響を抑える仕組みについて

換気を実施し、外気を吸気し室内の空気を排気すれば、当然外気の影響を受けてしまうのではと考える人は多いでしょう。
ですが、換気システムを工夫することで、外気の影響を受けずに換気を実施することが可能となります。
それが熱交換システムです。
換気システム内に熱交換器を組み入れることで、外気の影響を最小限に抑えられるのです。

熱交換システムとは

熱交換システムは排気する空気の熱を利用して、給気する空気の温度を排気する空気の温度に近づける仕組みです。
夏場は、冷房で冷やした室内の空気によって、新たに取り入れる空気を冷やします。
冬場も同様に、室内の温かい空気で新たに取り入れる空気を暖めます。
熱交換システムの性能によっては湿度も調整可能です。
温度だけを調整する熱交換システムは「顕熱交換」といい、湿度も調整できる熱交換システムを「全熱交換」といいます。

まとめ

高気密高断熱の家は、気密性を高めることで外気の影響を受けにくくした住宅です。
夏・冬なども快適に過ごせますが、通気性が劣るため、部屋の空気を入れ替えるために24時間換気システムを使う必要があります。

24時間換気システムにはただ換気するだけではなく熱交換システムをプラスすることで、より外気の影響を受けにくい換気が可能となります。

高気密高断熱の家づくりでは、換気システムの性能も重要です。
高気密高断熱の家に興味をお持ちの方は、弊社までお問い合わせください。

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